




Raise a Little Hell, Kindlyやさしく、騒げ
後光のようなリングライト、床から天井までのフラッシュ、笑いながら手を動かすクルー。ベニス・ブルバード沿い、反逆者の名を持つ“町のファミリーショップ”、Rabble Rouser Tattooで過ごした午後。
ベニス・ブルバードは、海へ向かって西へ、陽を浴びた一本の長い線のように伸びている。タコスの屋台、自動車修理工場、コインランドリー、車の流れに身を乗り出すヤシの木。パームズ地区、大きく描かれた鷲とフラッシュだらけのウィンドウの奥に、Rabble Rouser Tattooはある。
Rabble Rouser とは、騒ぎを起こす人、扇動者のこと。けれどこの店は、自分たちをもっとやさしい言葉でも呼んでいる。「町の、気さくなファミリー経営のタトゥーショップ」。どちらも本当だ。そこにこの場所の魅力のすべてがある。

最初に目に入ったのは、スケッチに身をかがめる彫り師だった。短く、迷いのない線で鉛筆が動く。まだ客もいない、マシンも鳴っていない。誰も見ることのない、仕事の静かな部分。肌の前の、紙の上の時間。
この店の顔ぶれ






タトゥーの入った腕がペンを握る。この部屋から出ていくすべてのデザインは、こんな一本の線から始まる。すでに誰かの線で覆われた、その手で。


隣のステーションでは、マシンが鳴っている。彼女は部屋の向こうの冗談に笑いながら、針を止めない。何千回とこれをやってきた人だけが持つ、肩の力の抜けた集中。台の上の、すでにオールドスクールで埋まった脚に、またひとつ絵が増えていく。


リングライトが、どのステーションの上にも後光のように浮かんでいる。その下では、仕事は真剣そのもの。その周りでは、部屋はまるで正反対だ。音楽、冗談、ペーパータオルをもう一本、と叫ぶ声。




黄色いシャツ、青いグローブ、低く唸るコイルマシン。客は天井を見つめ、ゆっくりと息をする。いい店では、痛みはひとつの共有されたリズムになる。彫り師と、肌と、壁の時計と。


奥では、別の彫り師が薄暗がりで描いている。長い髪が前に落ち、店は彼の周りで動き続ける。ここではいつも、誰かが次のアイデアに取りかかっている。





うなじにさえ物語がある。インクはこの店の制服。それぞれが、自分だけのものを着ている。



店は奥へ奥へと続く。ステーションがいくつも並び、鏡とランプと木の床の長い部屋になっている。戸口から眺めると、小さな町のようだ。みんな忙しく、みんな近い。
語りかける壁



壁はスクラップブックだ。額に入ったフラッシュ、彫られた仮面、「CASH IS KING」の看板、スカル、植物、誰かのヒーローの写真。何ひとつ揃っていないのに、すべてがここにふさわしい。

古いライフルの下に「MAMA TRIED(母さんは頑張った)」の看板。カントリーソングのタイトルが、タトゥーショップの壁に。母親の思い描いた通りには育たなかった子どもたちについての、いちばん古いジョークだ。



オレンジの壁から、金色のアンテロープがこちらを見ている。小さな祭壇、集められた品々、あたたかな電球。この部屋には、家族の台所のような、暮らしの気配がある。



通りに出ると、ガラスいっぱいに、ティールとオレンジで店の名前が描かれていた。小さな星に縁取られた「RABBLE ROUSER」。ちょっとした騒ぎを約束する店。そして入れば、家族のように迎えてくれる店。




白く光るベニス・ブルバードの午後へ、鷲の壁画の前を過ぎ、縁石に停められた黄色いスクーターの横を歩いて戻った。ガラスの向こうでは、まだ後光が灯っている。あの中で今日も、ちょっとした騒ぎが起きている。やさしく、ていねいに、一本の線ずつ。









































