やさしく、騒げの写真 1コイルと肌。やさしく、騒げの写真 2やさしく、騒げの写真 12やさしく、騒げの写真 18

Raise a Little Hell, Kindly

2024.09ロサンゼルスのRabble Rouser Tattoo

後光のようなリングライト、床から天井までのフラッシュ、笑いながら手を動かすクルー。ベニス・ブルバード沿い、反逆者の名を持つ“町のファミリーショップ”、Rabble Rouser Tattooで過ごした午後。

ベニス・ブルバードは、海へ向かって西へ、陽を浴びた一本の長い線のように伸びている。タコスの屋台、自動車修理工場、コインランドリー、車の流れに身を乗り出すヤシの木。パームズ地区、大きく描かれた鷲とフラッシュだらけのウィンドウの奥に、Rabble Rouser Tattooはある。

Rabble Rouser とは、騒ぎを起こす人、扇動者のこと。けれどこの店は、自分たちをもっとやさしい言葉でも呼んでいる。「町の、気さくなファミリー経営のタトゥーショップ」。どちらも本当だ。そこにこの場所の魅力のすべてがある。

やさしく、騒げの写真 2

最初に目に入ったのは、スケッチに身をかがめる彫り師だった。短く、迷いのない線で鉛筆が動く。まだ客もいない、マシンも鳴っていない。誰も見ることのない、仕事の静かな部分。肌の前の、紙の上の時間。

この店の顔ぶれ

やさしく、騒げの写真 3
やさしく、騒げの写真 4
やさしく、騒げの写真 5
やさしく、騒げの写真 6
タブレットに下絵を。
タブレットに下絵を。
やさしく、騒げの写真 8

タトゥーの入った腕がペンを握る。この部屋から出ていくすべてのデザインは、こんな一本の線から始まる。すでに誰かの線で覆われた、その手で。

笑いながら、一本の線。
笑いながら、一本の線。
やさしく、騒げの写真 10

隣のステーションでは、マシンが鳴っている。彼女は部屋の向こうの冗談に笑いながら、針を止めない。何千回とこれをやってきた人だけが持つ、肩の力の抜けた集中。台の上の、すでにオールドスクールで埋まった脚に、またひとつ絵が増えていく。

グローブと、グリーンソープ。
グローブと、グリーンソープ。
やさしく、騒げの写真 12

リングライトが、どのステーションの上にも後光のように浮かんでいる。その下では、仕事は真剣そのもの。その周りでは、部屋はまるで正反対だ。音楽、冗談、ペーパータオルをもう一本、と叫ぶ声。

コイルと肌。
コイルと肌。
後光の下で。
後光の下で。
じっと、動かずに。
じっと、動かずに。
やさしく、騒げの写真 16

黄色いシャツ、青いグローブ、低く唸るコイルマシン。客は天井を見つめ、ゆっくりと息をする。いい店では、痛みはひとつの共有されたリズムになる。彫り師と、肌と、壁の時計と。

次のアイデア。
次のアイデア。
やさしく、騒げの写真 18

奥では、別の彫り師が薄暗がりで描いている。長い髪が前に落ち、店は彼の周りで動き続ける。ここではいつも、誰かが次のアイデアに取りかかっている。

夜まで続く仕事。
夜まで続く仕事。
ライトを整える。
ライトを整える。
準備。
準備。
針の支度。
針の支度。
やさしく、騒げの写真 23

うなじにさえ物語がある。インクはこの店の制服。それぞれが、自分だけのものを着ている。

戸口から見た部屋。
戸口から見た部屋。
植物越しに。
植物越しに。
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店は奥へ奥へと続く。ステーションがいくつも並び、鏡とランプと木の床の長い部屋になっている。戸口から眺めると、小さな町のようだ。みんな忙しく、みんな近い。

語りかける壁

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やさしく、騒げの写真 28
やさしく、騒げの写真 29

壁はスクラップブックだ。額に入ったフラッシュ、彫られた仮面、「CASH IS KING」の看板、スカル、植物、誰かのヒーローの写真。何ひとつ揃っていないのに、すべてがここにふさわしい。

やさしく、騒げの写真 30

古いライフルの下に「MAMA TRIED(母さんは頑張った)」の看板。カントリーソングのタイトルが、タトゥーショップの壁に。母親の思い描いた通りには育たなかった子どもたちについての、いちばん古いジョークだ。

棚の上の龍。
棚の上の龍。
虎のフラッシュ。
虎のフラッシュ。
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オレンジの壁から、金色のアンテロープがこちらを見ている。小さな祭壇、集められた品々、あたたかな電球。この部屋には、家族の台所のような、暮らしの気配がある。

葉のあいだのスカル。
葉のあいだのスカル。
休むマシン。
休むマシン。
やさしく、騒げの写真 36

通りに出ると、ガラスいっぱいに、ティールとオレンジで店の名前が描かれていた。小さな星に縁取られた「RABBLE ROUSER」。ちょっとした騒ぎを約束する店。そして入れば、家族のように迎えてくれる店。

空に向かうTATTOO。
空に向かうTATTOO。
黄色いスクーター。
黄色いスクーター。
壁の鷲。
壁の鷲。
ベニス・ブルバードにて。
ベニス・ブルバードにて。

白く光るベニス・ブルバードの午後へ、鷲の壁画の前を過ぎ、縁石に停められた黄色いスクーターの横を歩いて戻った。ガラスの向こうでは、まだ後光が灯っている。あの中で今日も、ちょっとした騒ぎが起きている。やさしく、ていねいに、一本の線ずつ。

SHOP INFOお店の情報

住所
10957 Venice Blvd, Los Angeles, CA 90034, USA
ウェブサイト
www.rabblerousertattoo.com
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