




A Brother and a Comet兄弟と、白いコメット
背中まで届く三つ編み、黒く長い髭、指という指に指輪。そして、ちょうどいい場所に錆の浮いた白い古いコメット。最高の兄弟、アントニオとのロードトリップ、最初の朝。
出会う人もいれば、再会する人もいる。アントニオは後者だった。古い白いコメットで駐車場に滑り込んできた彼は、陽を浴びたクローム、シートに掛けたメキシカンブランケット、窓から身を乗り出す姿で、まるで何年も一緒に走ってきたかのように笑った。最初の一時間が終わるころには、本当にそうなっていた。



サングラス、ハンドルまで届く髭、ドアに預けたタトゥーの腕。ポーズを取るというより、ただ見られることを許している。自分の肌にも、自分の車にも心地よくいられる男の、あのたたずまい。



後ろから見ると、三つ編みと、肩に赤く入ったブラザーフッドの名前、腕の下のストライプのブランケット。ロードトリップには相棒が要る。ナビも、DJも、語り部も。彼はそのぜんぶだった。






コメットのペイントにも物語がある。ボンネットに花のように広がる錆、リアウィンドウのクラブのプレート、ふわふわのダイス、何年もの日曜日のゆっくりしたカーブで滑らかになったハンドル。完璧に直されたものはひとつもない。どれも、生かされ続けている。





白いTシャツに着替えると、指輪が出てくる。スカルと十字架が、関節から関節まで重なっている。光にかざした両手は、自分の歴史を一本ずつ指で見せてくれるようだった。





運転席のドアから身を乗り出し、彼にしか聞こえなかった何かに笑う。それがアントニオだった。半分は穏やかで、半分はいたずらっぽくて、いつでもまるごと、そこにいる。








今度は黒いTシャツ。開いたドアにもたれる、同じ気楽な姿勢。窓枠に腕をかけ、顎を上げ、手前には錆びたボンネット。「兄弟」を描いてくれと画家に頼んだら、こんな絵が返ってきてほしい。







車内には、陽に温められたビニールの匂い。シートの背にかかる三つ編み、ハンドルに片手、もう片方の手はもう前の道を指している。さあ、出発だ。



途中で一度だけ止まった。昼間からネオンを灯す古い映画館のある角。彼は歩道を先に歩いていく。急がず、まわりで街が動いていく。



昼にはコメットはまた走り出していた。窓を開け、ヤシの木が古い映画のコマのように流れていく。午後に何が待っているのか、まだ知らなかった。ただ、最高の仲間と一緒だということだけは、わかっていた。
アントニオと走る道・全3話















































































